札幌編

私の仕事デビューが札幌でした。分厚いB5のガイドブック本厚さ3cmはあるだろうか?これが10冊あってTVもない寮生活で毎日毎日寝ないで暗記したものです。
「恋の町札幌」

それでは皆さまお揃いですのでこれより出発致します。
皆様あらためましておはようございます。本日は「北海道○○バス定期観光「札幌1日コースにご乗車いただきまして誠にありがとうございます。これよりバスは駅前ターミナルを出発いたしまして北海道庁から北1条通りそして大倉山シャンツェへとご案内いたします。今日1日皆様のご案内をさせていただきます私○○と申します。皆様の旅の思い出の新たないちページになるよう一生懸命勤めさせていただきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
右手前方に木立を通してレンガの建物が見えてまいります。長い間「赤レンガ」の愛称で親しまれてきた北海道庁旧本庁舎です。明治21年当時としてはモダンな建物として人々を驚かせたそうですが北海道の移り変わりを見つめて100有余年ただいまでは国指定の重要文化財として保存されております。
 右手は北海道庁旧本庁舎です。赤レンガのすぐ後ろが現在の庁舎その左側には道議会議事堂があります。また、まえ庭の池には夏ともなりますとスイレンの花が水面を彩りイチョウ並木やポプラ並木とともに訪れる人々を楽しませております。
ただいま走っておりますこの通りは北1条通りと申しますが北海道の総鎮守北海道神宮の表参道にもなっております。
車の左右にはアカシア並木が続いております。アカシアの花が咲き時計台の鐘が響くこの北1条通りを走っておりますと♪このみちはいつかきたみち ああそうだよ アカシアの花がさいてる♪という北原白秋の歌が思いだされます。
厚生年金会館、知事公館、北海道立近代美術館と続きます。
この辺りアカシア並木からイチョウ並木に変わって参りました。

正面に見えております大きな鳥居は北海道神宮の第一鳥居です。高さ19メートル横に張り出している笠木の長さ27メートル柱の直径は一番太いところで1・9メートルもあるそうです。これからご案内いたします北海道神宮は明治4年に建てられたもので開拓の神様といわれる「大国魂神」(おおくにたまのかみ)「大那牟遅神」(おおなむちのかみ)「少彦名神」(すくなひこなのかみ)と明治天皇が祀られております。また、神宮を囲む一帯は丸山公園になっております。動物園、野球場、陸上競技場、テニスコートなどがあり市民の憩いの場として親しまれております。
左手は北海道神宮です。
広い境内を持ち桜の木が多い所から春のお花見時には大勢の人達で賑わいます。北海道神宮の特徴はご本殿や拝殿はもちろん全ての建物が北東に向いて建てられていることでこれは全国的にも大変珍しいそうです。神社は普通南向きが多いそうですがなぜ北海道神宮が北東に向いて建てられたのかと申しますと当時南下を続けていたロシアを意識してのことと考えられます。
これより皆様を90メートル級ジャンプ大倉山シャンツェにご案内致します。
このシャンツェの歴史は昭和の初めにまでさかのぼります。
第2回冬季オリンピックが、スイスのサンモリッツで開かれた年の昭和3年2月、スポーツの宮様と言われた故秩父宮殿下が、ご来道になり手稲山ニセコでスキーをなさいました。この時「日本で将来オリンピックを開くとすれば、それは札幌しかない、それにはまず、立派なジャンプ台を作る必要がある」と云われ大倉(喜七郎)男爵にその世話を頼みました。これがきっかけとなり昭和7年大倉男爵がスキーの本場ノルウェーのヘルセット中尉に依頼して設計させ、札幌市に寄贈したものでございます。本格的大型ジャンプ台としてはわが国で最も古く、多くの名選手を育てると共に外国選手も出場した宮様大会をはじめ数多くの大会が行われて参りましたが昭和44年現在のオリンピックシャンツェに生まれ変わったのでございます。又、昭和57年11月ここ大倉山ジャンプ競技場にリフトが完成しました。ジヤンプ場にリフトが設置されましたのはわが国でも初めてです。リフトでスタート地点まで参りますと札幌市街を一望のもとに見渡せる展望台広場があり夏は観光のお客様のも開放されております。まもなく大倉山シャンツェ到着でございます。


皆様こちらが大倉山シャンツェでございます。シャンツェとはドイツ語でジャンプ台のことです。一番上に建物が見えておりますがスタートハウスです。60名の選手を収容することができます。あのスタートハウスのところが一番高いスタート台でその時の天候や雪質にあわせてスタートの位置を下げていきます。(スタート地点は全部で34箇所です)スタートハウスから下がってきて五輪マークが見えておりますがカンテと呼ばれる踏切台です。スタート地点からカンテまでをアプローチといい35度の斜面を時速100キロの猛スピードで滑り降りてまいります。そして、カンテで空中に飛び出した選手が着地する斜面をランディングバーン(37度)一番下の平坦部分はブレーキングトラックと申します。ブレーキングトラックからスタートハウスまでの高さは136.7mテレビ塔が147mですからいかに高い所から滑り降りてくるかお解りいただけるのではないでしょうか。
ジャンプ競技は飛んだ距離と飛んでいる時の姿の善し悪しを合わせて得点を競うのですが左手一番高上の建物はその飛型審判員のいるところで見えております電光掲示板に点数が表示されるようになっております。また、その下のガラス張りの建物はロイヤルボックス木造の建物は選手の控え室となっております。